15×24

新城カズマの新作。心中サイトで共に死ぬ相手を見つけた高校生・徳永準が主人公。自殺決行日の大晦日、<17>と名乗る心中相手との約束を果たすために家を出るものの、途中でスリに会い、間違って推敲中の遺書メールが送信されてしまった。最初はクラスメイトだけに届いたメールだったが、そこから遺書メールがチェインしまくり、気が付けば大勢の人が主人公の自殺を止めようと奔走する事になって...と言うお話です。

2冊同時発売と言う事で、両方一気読みしました。ページをめくるたびに、転がるように話が大きくなっていく展開が面白かったです。主人公は携帯電話を失くしているので、自分の自殺を止めるために多くの人が動いている事を知らない。助けようとしている方も、基本的には情報を共有しながら動くもののそれも完全では無くてなかなか組織的な行動が取れない。ある種のパニックものだなぁと思いながら読んでいました。

しかも、次第に自殺を止める止めないと言う話だけじゃなくなってきているのも面白いです。純粋に「自殺を止めたい」と言う気持ちで動いているキャラもいるけれど、中には別の目的のために協力しているキャラもいるし、さらには全然違う理由で主人公を追いかける勢力まで出てくるし、もう何がなんだか。終盤は読んでいて非常に疲れました。誰がどこにいてどう言う状況になっているのか把握するのが大変。視点となるキャラがドンドン変わっていく方式で話が書かれているのもありますが、目まぐるしく状況が動いていくので、追っかけるだけで精一杯。自分の場合、逐一状況を詳細に理解しようとせず、流れの速さに身を委ねる様に楽しむ方が良いのかも。

2冊同時発売だったので、これで話が終わっているものだと思っていたのですが、全然そんな事はありませんでした。普通にまだ続く模様。3巻は来月だそうで。楽しみです。