桜木メルトの恋禁術

森田季節の新刊。
恋なんてしない! と世の恋人達を破局に導く「恋禁術」使いのヒロイン・桜木メルト。
小学生の頃に好きになった女の子への純愛を貫くため、ひたすら禁欲的な生活を送る主人公が、高校でその女の子と再会。いざ告白...と言うタイミングで恋禁術で邪魔をされ、さらに呪いで告白しようとすると死ぬほど激痛が走るようになってしまい...と言うお話です。

微妙。ひたすら人の邪魔に走るヒロインが全く好きになれず。しかも邪魔だけじゃなくて脅迫で主人公の告白まで封じるとか、読んでいて「おまえ何様のつもりだ!」と叫びたくなりました。ヒロインが恋禁術を使うようになった理由はちゃんと作中に書いてあるし、分かる部分もあるけれど、それでも自分には八つ当たりにしか見えませんでした。人の恋路を邪魔する奴は...と言う格言? があるけれど、正にそんな気分。

後半、ヒロインが主人公への自分の気持ちに気付き始めた辺りからは面白く読めたけれど、前半部分の印象を引きずってしまった...。しかし、そんな逆境の中でも自分の恋愛を貫こうとした主人公は良いですね。置かれた立場を受け止め、メルトに対しても突き放す事無く付き合ってるし。けど、主人公の恋心の真相が真相なだけに、切ないなぁ。ある意味、この一件は良かったんじゃないか? なんて気までしてくる...。

と言う訳で、微妙に肌に合わない1冊でした。残念。