ぷりるん。

評判が良さそうなので読んでみました。十文字青作品は肌に合わず、『薔薇のマリア』などは途中で読むのを止めてしまっているのですが...これは読みながらシックリきて面白かったです。慕ってくれる妹、性に奔放な姉、好きだったクラスメイト、真面目な部長、そして何故か「ぷりるん」としか発言しない幼馴染。一見普通だけど、実は一癖も二癖もある女性陣に高校生の主人公が翻弄されていくお話です。

彼女が出来て幸せだったはずの主人公ですが...その彼女がキッカケで、最初は徐々に、しかし加速度的にドンドン壊れていく主人公の日常。基本的に幸せな話が好きな自分としては欝展開はあまり好みじゃないんですが、この作品はあんまり欝展開とは思えず、普通に読めました。主人公の置かれた状況を考えると、とても暗くて辛い展開なのですが、妙に淡々とした語り口調のお陰でしょうか。それほど欝な気分にならずに済みました。寧ろ面白かったぐらい。結局のところ、最後に登場人物皆がハッピーエンドを迎えているように感じられたのが大きかったです。雨降って地固まるみたいな。

しかし、結局「ぷりるん」とはどう言う意味だったんだろう。深い意味は無いのかもしれませんが、それでも気になります...。