ラプンツェルの翼 3

シリーズ3冊目。命がけのゲームを勝ち抜き、天使となった奈々。研修先のテーマパークでバイトをしつつ平穏な日々を送っていたが、ある日、そのテーマパークでクーデターが勃発。天使達の"姫"がさらわれ、助けるためにはゲームに勝たねばならない...と言う展開です。

この作者の作品は、毎回毎回命を賭けた思考ゲームが繰り広げられるのですが、今回も例外なくゲームでした。これまでは予め用意されていた試練と言う形だったので、突発的なクーデターでどうやってゲーム? なんて思っていましたが、それでもちゃんとゲームが用意されるあたりが流石です。

この作者の他の作品と比較して、エグイ展開がかなり少ないこのシリーズ。今回もクーデターの割には順当に話が進んでるなぁ...なんて安心しながら読んでいたのですが、ラストで落とし穴が待っていました。うわぁ。これまでがこれまでだったから、完全に油断してたよ!! しかし次の巻に引っ張る形で終わっているので、まだ救いはある...と信じたい。さらにキツイ展開になるのか、それとも何かしらの救いがあるのか。ドキドキしながら次の巻を待ちたいと思います。

しかし巻を追う毎に、主人公と奈々の距離感が縮んでいくのが素敵です。この世界における人間と天使の関係は、仲良くなればなるほど辛いのに...それでも離れない2人を見ていると、ちゃんとハッピーエンドに辿り着くんじゃないか? と思わせてくれます。観覧車のシーンとか凄く好き。けど、それでも油断してると、今回みたいにどんでん返しを喰らいそうな気もするんだよなぁ。なんせこの作者だし。

と言う訳で、今回も楽しめた1冊でした。気になる所で終わっているので、早く続きが読みたい...。