"文学少女"と恋する挿話集 2

短編集の2冊目。ななせの友人・森ちゃん&彼女の事を好きな反町くんのコメディタッチな恋愛話と、本編をななせ視点でなぞるお話が幾つか...と言う構成。

ななせファンとしては、彼女にスポットが当たるのは嬉しい限りなのですが、今回はそれが辛かった。とにかくななせが切な過ぎる...。本編中、心葉の事を想い続ける彼女がどんな気持ちでいたのか。ななせ視点で語られると、その切なさが一層重く圧し掛かって来ます。恋する女の子が、好きな子の言動と自分の振る舞いに一喜一憂する姿と言うのは、本来ならウキウキしながら読めるのだけど...。結末が結末だけに、幸せな話ですら読んでいる方としては辛さがこみ上げてくる一方。特にラストのデートの話とか、涙無しでは読めん。良い娘なのに。

その一方、森ちゃんと反町くんの恋愛模様はとても初々しくて良い感じ。2人の生き生きとした姿が素敵です。それこそお互い一喜一憂しながら仲を深めていく所が楽し過ぎます。ななせの話が切ないから、余計映えたのかも。
しかし遠子先輩の暗躍っぷりも面白かった。本編の裏でこんな事やってたのか。詩って自分はイマイチ楽しみ方が分らんのですが、今回引用されていたものは、話とマッチしていて良かったです。この絶妙なチョイス、流石は遠子先輩。

と言う訳で相変わらず面白かった1冊でした。満足!!