夜と血のカンケイ。

第15回電撃小説大賞電撃文庫MAGAGINE賞を受賞した作者の、長編デビュー作。
物凄く血が美味い男子高校生が主人公。とある事情からかつて会った吸血鬼の女の子・夜音に復讐したい主人公が、その血の美味さを武器に、夜音に血を飲ませる代わりにあれこれ命令する...と言うお話。

美味い血を飲ませる代わりに、吸血鬼に言う事を聞かせる。なんとも凄い設定で新鮮でしたが、お話は至って普通。血の誘惑に抗えない夜音に命令する展開は良いのですが、最初はツンツンしていた夜音が気が付けば仲良くなって...と言う展開はあんまり意外性が無くて、あ盛り上がらなかった印象を強く受けてしまいました。徐々に態度が軟化していく夜音は可愛かったけれど、もう少し面白い展開になるかと思ったのに。残念。主人公の復讐心の発端とそこから取った手段も、正直、なんでその手段を選んだんだ! と突っ込みたくなったし。よくその発想にたどり着いたなぁと、妙に感心してしまった...。