時載りリンネ! 5

『リンネ』新刊。冬休みのお話。絵描きの時載りである「街の住人」に出会い、絵のモデルをする事になって...と言う感じの展開。

今回もとても面白かったです。冬休み...と言う事で、遊び倒すかと思いきや、意外とそうでもなく。正月の家の行事で久高が遊んでくれないとリンネが拗ねたり。だから絵のモデルをする! と喜んでいる所がとても可愛かったです。絵描きの娘さんとも仲良くなって、楽しそうにしている姿が、凄く生き生きとしていて魅力的。子供がちゃんと子供らしく書かれているのが、いつも凄いと思いながら読んでます。そりゃあ絵に描きたくもなるよなぁ。

しかし何より、日々の経験の中でちゃんと成長していくリンネが読んでいて本当に良い感じです。多分、本人は気付いていないんだろうけど、凄いスピードで成長しているなーと読みながら思っていました。今回は時砕きとしての成長もあったし。戦いのシーンはいつに無くシビアだったけど、こうして日々成長しているから切り抜けられるんだろうなー。
そしてラストの父親の話は思わずグッと来ました。言葉を無くして佇むリンネがなんとも言えず切なくて。無理に元気を装おうとしているところがまた...。いつかこんな日が来ると信じてます。
また、このシリーズ、イラストもお気に入りです。作品にとてもマッチしていると言うか、見ていてシックリ来ると言うか。今回は石碑のシーンのイラストが特に良かったです。

と言う訳で、満足な1冊でした。この調子で続いて欲しい所。