白夢 放課後の霧使い

『クジラのソラ』が完結した瀬尾つかさの新シリーズ。
両親を亡くし、親戚が理事長を務める山奥の高校へと転校した主人公。しかし高校のある山は夜になると定期的に霧に覆われ、異世界から現れる怪物《はぐれ》が跋扈する危険地帯だった。一部の生徒達は霧を操って戦う力を持ち、この《はぐれ》たちに対抗していたのだが、主人公がとんでもない量の霧を操る力がある事が分かって...と言うお話です。

普通。導入から世界観の説明、そして主人公の過去に迫る展開...と、盛り沢山な内容でテンポ良く進むのは良かったのですが、どうにも盛り上がりに欠ける印象を受けてしまいました。何故霧が出るのか? 記憶のない主人公の過去に一体何が? その力と関係あるのか? と、結構な数の伏線を張りつつ、メインは導入的な感じがしたからかなぁ。主人公の力が強くて、ピンチな状況でもあまり危機感が無かったのもあるかも。

導入が終わって、次からが本番? この1冊である程度主人公の出自が明かされたけど、それすら導入と言った感じだったし...ここからどう展開するのかに期待。