有川夕菜の抵抗値

電撃の新人さん。
興奮すると身体から電気が発生してしまう「パラライザー」であるヒロインが、とある高校に転校して来た事で起こるドタバタ劇を描いた作品。興奮度によっては他人に大怪我を負わせてしまう程の電流を流せてしまうヒロイン。その体質のために、わざと嫌われるように振る舞い、周りの人間を遠ざけて来た彼女が、転校先の生徒会長とクラスメイトの情熱に徐々に救われていく...と言う展開です。

「パラライザー」と言う体質のために、人付き合いが苦手...と言うかド下手なヒロインは、手負いの獣のような印象を受けました。傷ついているのに、周りから差し伸べられる救いの手を片っ端から拒んで閉じこもってしまう。けどクラスメイト達の優しさに触れて、少しずつ態度が変わっていく様はとても青春してて良い感じで面白かったんですが...微妙に引っかかる部分があって、何故かスッキリしない読後感。

何が気になったんだろう? と思い返してみましたが、かつてこの高校にいたパラライザー・茜さんの存在が気になって仕方なかった模様。ストーリー自体は友情を描いた良い話だと思うのですが、その前提に人の死があると途端にテンションが下がります。言い方は悪いけど、茜さんの存在がこのヒロインのための踏み台のように感じました。茜さんの事がキッカケでこの学校は変わったし、他のパラライザーとっても良い方向に進んだんだろうけど...エピローグの幸せそうなヒロインの姿を見て、なんだか哀しい気分に。微妙に肌に合わなかったなぁ。

しかし、教師陣は良い味出してましたねー。教頭グッジョブ。そして校長はツンデレ