RPG W(・∀・)RLD 1

吉村夜の新シリーズ。
RPG『ギャスパルクの復活』のテストプレイヤーとして選ばれた高校生が主人公。ドップリとゲームにはまり、ロクにストーリーも薦めないまま、気が付けばほぼ最高レベル。しかしある日、突然ゲームの世界へと入ってしまった。しかも自分のパラメータは己が育てたキャラのレベルそのまま。状況が良く掴めないまま、襲われていた美少女なNPCを助け、そのまま彼女の村へ赴くのだが...と言う感じに始まります。

ゲームの世界に入ってしまう...と言うネタのお話はそれなりにありますが、これもその1つ? しかしこれはMMORPGでは無く、スタンドアローンなゲーム機でのお話と言う所が少し違うかも。とは言え、同じようにゲームの中に入ってしまったキャラも登場するので、読んでいてあまり差は感じませんでしたが。

キャラ自体は最初から最強レベル。出てくる敵は瞬殺出来るけど...それでもダメージを喰らった時の痛みは現実そのままだし、何よりHPが0になれば死ぬ。いくらゲームが上手くてキャラが強くても、この制約がある限り好きな様には振舞えない。しかも元の世界に戻る方法は不明...と言う事で、それなりに切羽詰った展開。しかし、テンポ良く読めるのは良いのですが、逆にそのお陰か物足りなさも感じたり。随分とサクサク進むので、緊迫感が微妙に薄い...。また、主人公は良いんだけど、同じくゲームの世界に入ってしまったクラスメイトが、どうにも肌に合いませんでした。元の世界よりゲームの世界が好きで、いきなり使えるようになった力に浮かれるのはとても分かるけど、ここまでやられると、どうにも。この先の冒険で成長してくれるなら良いのですが...どうなる事やら。ラストでは少し思うところもあったみたいだし、期待して良いかなぁ。

こんな感じの1冊でした。まだまだ序盤なので、今後の展開が楽しみ。