くノ一見参!

電撃文庫で数冊書いていた佐竹彬が、MF文庫Jから新刊。
家庭の事情で叔母の家に居候する事になった高校生の主人公・晴信。美人で生徒会長な従姉も同居。そんな家に、叔母の知り合いの孫で主人公と同い年の千代もさらに居候する事に。しかもこの千代、忍術を仕込まれていて、「くノ一の術」を身につけるため、女を磨きに来たとの事で...と言うお話。

普通に面白かったです。山暮らしが長く、人付き合いが上手くない千代が巻き起こすドタバタ劇に巻き込まれ、さらに従姉には家でも学校でも振り回される。それでもへこたれない主人公が良い感じ。従姉の強引さは好きになれませんでしたが、千代の事を考えての事だし、まだ納得出来るかなー。千代は「くノ一の術」がどういうものか全く知らず、それでもヒントである「女を磨く」と言う部分だけを必死に実践しようとする所が健気。周りに支えられつつ、知らず知らずのうちに成長しているのが良いですね。そりゃ主人公も、最後は...。

こんな感じの1冊でした。この人の作品は何冊しか読んだこ事がありませんでしたが、昔読んだ時にそこはかとなく感じた森博嗣っぽさが完全に抜けていて、同じ作者の作品とは思えないほど。正直ビックリしました。満足。