純愛を探せ!

第1回GA文庫大賞・奨励賞受賞作。
舞台は現代日本。姦淫と虚言を司る大魔族・カルマが主人公。己の性質にあらがい、「純愛を探しに行く!」と人間界へと飛び出し、そこで出会った少女・カナデに一目惚れするのだが...と言うお話。

これは面白かったです。主人公の司る性質が性質なので、結構際どい下ネタやシーンもあるのですが、それでも一目惚れしたヒロインに対しては紳士。純愛を貫き通す所が非常に格好良くて良かったです。ヒロインは名家の娘...と言う事で、様々なお家事情に縛られて、心が自由にならない。そんなヒロインに真正面からぶつかり、断られても諦めず、自分の気持ちを伝え続ける。一歩間違えばストーカーだけど、そうはならないようにしていたのも好印象でした。

また、主人公とヒロインだけじゃなく、他のサブキャラも良いキャラばかり事も素敵でした。お付きの自動人形なメイドさんリビエラの、ちょっとキツメな態度の裏に見える気持ちとか、ヒロインの婚約者の男前っぷりとか。特に婚約者は...ラブコメではヒロインにロクでもない婚約者と言うのは良く見かける構図だと思うのですが、この作品では真逆。見事な潔さが素晴らしかったです。後、主人公の婚約者候補である魔王の娘。良い感じにぶっ飛んでますねー。ラブコメを引っかき回してくれそうで、ちょっと楽しみ。続き出ないかなぁ。

こんな感じの1冊でした。キャラが立ちまくっていて面白く、とても満足。是非続編を!!