ヒミツのテックガール

第11回角川学園小説大賞で奨励賞を受賞した作者のデビュー作。
性格に難アリだけど天才。そんな人材のみを集めた女子高専が舞台。主人公は何故かその周囲で不思議な事ばかり起こる女の子。その奇怪な出来事に周囲の人間を巻き込んで振り回すけど、本人は無自覚。そんな主人公が半ば厄介払いな感じでこの学校に放り込まれたら、逆に自分が振り回される立場に...と言うお話。

物凄く読み辛い。けど何故か面白いのが微妙に腹立たしい作品でした。1文1文を追っていくと非常に疲れるんですが、流し読む感じで読むとノリとテンション、そして勢いがとても良い感じの作品でした。疲れるから途中で読むのを止めようかと思いつつ、微妙に面白いから結局ページをめくってしまう。その繰り返しで気が付けば最後まで読んでいた感じでしょうか。

タイトルが『テックガール』で舞台が高専と言う事で、もっと工学寄りな話かと思っていましたが、それほどでも無く。主人公が居場所を見つけ、成長していく所がメインな感じ。しかし前述した通り、あちこちで起こる半ば理不尽めいた展開を自分は楽しみました。寧ろ、ラストが主人公の成長譚として割と綺麗にまとまった事にビックリしたぐらいだったり...。

こんな感じの1冊。色々な意味で凄いと思わせてくれました。続編出そうだなぁ、これ。