放課後限定勇者さま。

七飯宏隆の新シリーズ。
魔王を倒す4人の勇者の1人と間違われて、異世界に召喚されてしまった主人公。普通なら取り乱すところだが、この主人公、平凡な高校生だけど一つだけ特殊な力を持っていた。それは「自由に異世界へ移動できる力」。子供の頃から遊び半分で様々な世界を見てきた主人公からすれば、魔王退治に付き合う必要もなくて...と言うお話。

設定が斬新。異世界に救世主として召喚される。ここまでは時折見かける設定ですが、そこから一捻り加わっているのが面白い所。普通なら「自分の世界に戻るために」みたいな理由で、魔王退治に向かう流れですが、この主人公は自力で自分の世界に帰れるものだから、そんな展開になるはずもなく。しかも、将来の夢はニートになる事と言う、とてもやる気の無いキャラ。さっさと自分の世界に帰るものの、ついてきてしまった、勇者を捜すヒロインに振り回される感じで話が進みます。

どうにも主人公が好きになれず、微妙な感じの1冊でした。やる気の無さがなぁ。自分は本当にヘタレな主人公が肌に合わないと、再認識した次第です。。ヒロインに振り回され、嫌々ながらも協力するあたり、実はツンデレなんじゃね? とも思ったけど、健気に努力を重ねるヒロインと比べてしまうと、読んでて「素直に協力しろ!!」と言いたくなってしまいます...。設定は面白いし、ヒロインとそのお供達は可愛いのに。残念。

しかし、序盤に比べれば、後半になるに連れて徐々にヘタレ成分が減っているような気もします。巻が進めば、普通に読めるようになるのかも。色々な世界を渡り歩くと言う設定自体は好きなので、一応今後に期待。