星図詠のリーナ

評判が良さそうなので読んでみました。
地図を作る事に情熱を燃やす第5王女・リーナ。大人顔負けの本格的な測量術を身につけている彼女へ、ある日、王からとある街の地図作りの命が下る。喜び勇んで旅に出るが、何者かに襲われて...と言うお話。

地図を作る。今あるのは大陸の形だけ。そんな真っ白な白地図の上に、自分の歩んだ道を書き、いつか世界地図を作りたい。そんな夢を持つ王女が、まさしく夢の一歩を踏み出す。溢れんばかりに満ちたロマンが最高でした。面白かったです。

しかし、王女・リーナの命を狙う血生臭い展開やら、終盤にはとんでもないモノが復活したり...と、地図作りだけに奔走するわけには行かないストーリー展開が酷くもどかしい気分にさせてくれました。「お前らリーナの邪魔するなー!!」と、何度突っ込みたくなった事か。それでも地図を作り、街の人々から感謝される展開は良いなぁ。リーナの顔に浮かんでいるであろう達成感と誇らしい笑顔を思い描くと、こっちまで嬉しくなってきます。

また、リーナの危機を救った傭兵・ダールも旅に加わるのですが、最初はお金だけで繋がっていた関係が、徐々にリーナの夢に感化されていく流れが良い感じ。大陸の地図を見せられ、それまで広いと思っていた世界が、実はとてもちっぽけな範囲だった...この衝撃はやっぱり大きいんだろうなぁ。リーナの情熱に加えて、そんなものを見せつけられれば、ついて行きたくなるのも道理ですね。

こんな感じの1冊でした。満足。面白かったので、是非とも続いて欲しいなぁ。