蒼穹のカルマ 1

第20回ファンタジア大賞・準入選受賞作。
表紙イラストとあらすじを読む限りでは、空を駆って戦うシリアスもの? と言う印象を受けたのですが、中身は全っっっっっく違います。空獣と戦う騎士団のエースであるヒロインは、普段はとても冷静沈着...なのですが、しかし実は極度のシスコン。ある日、妹の授業参観に出席するべく休みを取ったものの、その日に限って空獣の大群が現れ、異世界に勇者として召還され、あげくの果てには神の試練まで...と、次々と苦難が襲いかかる展開。

しかし、ヒロインにとって1番大事なのは授業参観。授業参観に間に合う事を至上目標として、あらゆる障害を、ものすんごく強引に突破していく展開が素晴らしかったです。対魔王戦には爆笑しました。全て妹を基準に価値観が決まっているものだから、ヒロインとしてそれはどうよ? みたいな言動多数。その一途さと行動の極端さが非常に面白く感じました。
また、ラストの戦いも普通に熱くてグッド。苦難の連続だったその1日の集大成とも言える大物を相手に、連続した苦難を通して知り合った仲間と共に戦う。良くある展開かも知れませんが、こういうお話大好きです。

と言う訳で、予想以上に楽しめて満足な1冊でした。どうやらシリーズ化するようなので、続きも楽しみです。