オウガにズームUP!

暗闇にヤギを探して』の人の新作。新たに女子校と男子校が合併した高校が舞台で、とても小さなクラスメイトと、とある理由で同棲することになった男子高生が主人公なお話。
姿形がとても子供っぽいヒロインと同棲する事になったけど、小さい子は趣味じゃなくて、「ロリコンになれば喜べる」と呟くと言う...ある意味斬新な設定。電車の中で1行目を読んだ時、物凄く周囲の目が気になったには自分だけ?
そんな訳で、話としては主人公が段々ヒロインに惹かれていく展開になのですが、普通に面白かったです。タイトルに『オウガ』とあるように、ヒロインの正体はオウガ。前作とは異なり、直接ファンタジー要素が入っているので、その辺りの不思議感は薄れたけど、淡々としたちょっと独特な雰囲気は健在でした。
オウガの設定はアンマリ重要じゃなくて、基本は人間関係が中心。なし崩し的に同棲を始めた2人が、気が付けば良い感じのカップルに見えるようになっていくのが良かったです。特にこれと言ったライバルも存在せず、2人の進展を見守る感じ。クラスメイトの女の子と話している主人公を見て、ヒロインが微妙に嫉妬しているところとか、なんとも素晴らしいです。
と言う訳で、満足な1冊でした。これは続編出そうな雰囲気。楽しみです。