神曲奏界ポリフォニカ エイディング・クリムゾン

『ポリ赤』新刊。前巻から続いているお話の完結編です。やたらと分厚かったけど一気に読了。
前巻のラストが凄いところで終わっていましたが、そこからの続き。オープン前のメガ・フロートを舞台に、ダンテの奏始曲が猛威を振るう。『ポリ青』のあの曲まで飛び出して、事態はさらに凄い事に。精霊を信じられなくなった人間が精霊に悪意を向け、一触即発な状況。けど人間達のピンチを助けてくれるのもまた精霊。諸悪の根源は奏始曲だけど、作者的には、今回は人の弱さを浮き彫りにするためにあの曲を使ったのかなぁなんて思います。
結局、良い人も悪い人も存在すると言う事実は、人間でも精霊でも同じ...と言う、冷静になってみれば当然の結論に遠回りしながら辿り着く展開が好みです。多分、今回の事件に巻き込まれ、そして助けられた人間達は、精霊に対する接し方が変わるんだろうなーなんて妄想をしながら読むと、なんかニヤけてくる。んで、ラストバトルの総力戦はお見事。ベタと言えばベタな気もする展開だけど、今回の「人と精霊の関係」と言うテーマにはピッタリの演出でした。力を合わせると言うのはそれだけで熱い!!
シリアスなシーンが多かったけど、ラブコメもキッチリと用意されているのもグッド。特にコーティの惚気っぷりも良かった。「自分を殺す簡単な方法」としてフォロンに告げた一言に悶えまくったのは自分だけでは無いはずです。あれは反則だろう...。
と言う訳で、普通に満足な1冊でした。やっぱり好きだ、このシリーズ。続きにも期待。