神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルと白銀の虎

前に出た短編集『ぱれっと』の中で、あざの耕平が書いた作品がシリーズ化。型破りな天才神曲楽士のサリエルのお話です。長編ではなく、幾つかのお話をまとめた短編集。
最初の1話は、『ぱれっと』からの再録で、残りが新作。1番良かったのは、大学の音楽フェスのお話。重鎮と呼ばれる音楽家・ハイゼンと同じ舞台に立つ事になるんですが...この話が熱い。サリエルはお高くとまった音楽を嫌っているけど、ハイゼンの音楽は否定できない。逆に理解してもらえない悔しさから、荒ぶるサリエルが良かったです。傲慢だけど音楽に対してはとても紳士なサリエルが、どこまでも音楽に対して純粋な所が凄く熱い。こういうお話大好きです。
他にもユフィンリーの意外な一面が拝めたり、虎であるはずのコジが猫化していたりと、笑えるシーンも沢山。真面目なシーンと面白いシーンが上手い具合に混ざっているのは本当に素晴らしい事です。面白かった!!
と言うわけで、普通に満足な1冊でした。今後にも期待大です。