放課後の魔術師 1

第12回スニーカー大賞・奨励賞受賞作。
魔術師同士の争いがメインのお話。敵対する魔術組織との戦いのためイギリスから日本へ戻ってきた17歳の少年・安芸。何故か高校で担任をする事になった彼が、同じクラスの少女・遥と出会う。そしてその学園で事件が...と言う展開。
これはすげー面白かった。安芸が使うのは「論理魔術」と言う事で、言動がひたすらロジカル。ヒロインも同じく割と冷静な方なんだけど...でも所々感情的になるところがあって、これが凄く魅力的。元気一杯な所から、ちょっとした事でガクッとテンション下がるところとか、目まぐるしく変わる表情の豊かさが読んでて楽しいです。このヒロインは可愛い。久々に色々なツボにクリーンヒットです。
安芸の性格も良い感じ。ロジカルな論法であれこれ真実を解き明かしていきますが、そのロジカルさが突き抜け過ぎていて、ある意味鈍感になってますね。これが面白い。特にヒロインの遥との関係は、読んでてニヤニヤしてしまいます。
話の肝は魔術を中心とした争い。けどこっちは割と普通。魔術のギミックがロジカルな作りになっているのは興味深いけど、やっぱり個人的にはキャラたちの振る舞いの方が楽しいです。主要キャラがしっかり立っている話って、ホント読んでて面白いわー。
と言う訳で、非常に満足な1冊でした。続編も出そうなので、非常に楽しみです。