この広い世界にふたりぼっち

第4回MF文庫Jライトノベル新人賞・佳作受賞作。
現代日本を舞台に、人語を話す雄の狼と人間の少女が主人公。家庭崩壊の上に学校ではいじめられているヒロインと、森の仲間達から弾かれ、最後には自ら袂を分かった狼。種族は違えど、同じような境遇にある1人と1匹。そんな彼らが結婚する所から話が始まります。
人と狼が結婚すると言う設定で始まり、どことなく雰囲気も独特な感じがしたので、このまま童話的に進むのかと思いきや...最後は超常バトル。えー戦うのーと言うのが正直な感想。
傷を舐め合うように寄り添う狼と少女の関係は悪くなかったので、中盤辺りまでは楽しく読んでたのですが...ヒロインが神様から力を貰ってガチバトルに突入する辺りで唖然。この方向転換は予想外過ぎる。主人公達の生き様は現実との戦いだったから、そう言った意味では別に普通な展開かも知れませんが...個人的には一気に気分が萎えました。
と言う訳で、微妙な1冊でした。序盤は良かっただけに、余計に残念。話の展開がもう少しまとまってればなぁ。