AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜

これは面白かった。しかし...学園ラブコメと言われればそうだけど、なんか微妙に納得したくない気がするのは何故だろう。


田中ロミオの新刊。クラスの半分が、かなり本格的な邪気眼な方々。各人の逞しい妄想が現実に溢れた妄想戦士の中、ヒロインはその中でも1番気合入ってて、常に魔女のコスプレ姿。主人公も中学校時代は邪気眼だったけど、高校入って普通に生まれ変わったと言う設定。そんな主人公からすれば、目の前に広がっているのは捨てたはずの過去そのもの。なのに、担任からはヒロインの面倒を見るように言われて...と言うお話です。
クラスにいる他の一般人から受ける軋轢、その矢面に立たされる主人公、それでも一向に態度を変えないヒロイン。普通に生きようとする主人公の頑張りを、片っ端から無視してくれる周りの妄想戦士達と、一般人からの嘲りがとにかく痛いんですが...所々に仕込まれた小ネタに、電車の中で噴き出しそうになってしまいました。確かにブギーポップは先輩だよね。
終盤に行くにつれてシリアス度が上がるんですが、この辺はラブコメと言うよりは青春小説だよなー。恋愛の要素は全く無いと言うか、このお話の後にそう言う展開が来るような気がします。
んでラストの説得術には拍手です。妄想から立ち直って更生した主人公 VS リアル妄想少女。よくやったよ、主人公。昔の自分を見ているようなもんだから、説得に込められた真実味がヒシヒシと伝わってきて良い感じ。さらにオチにも笑った。一般人どこ行ったよ!!
と言う訳で、非常に楽しく読めた1冊でした。次の作品にも期待。