オオカミさんと長ブーツを履いたアニキな猫

Book

『オオカミさん』シリーズ新刊。幾つかの短編が収録されてますが、メインは鬼ヶ島高校の面々が悪巧みするお話。
うーん、普通だ。1, 2巻の頃の勢いは何処へ? 別に詰まらない訳じゃないんですが、なんか全体的に物足りなさが残ります。りんごさんの黒さも控えめだし、オオカミさんと亮士くんの関係はぎこちないけど、それなりに落ち着いちゃってるし。話全体としては、裏で密かに進む陰謀が気になりますが...メインはやっぱり御伽銀行のキャラ達なんだよなー。
そんな訳で、今回はアリスさんが1番の読み所でしょうか。普段はクールなアリスさんの、秘めていた部分が大公開。頭取との過去の話や、その他諸々...こんな美味しいキャラだったとは。かなりポイント高いです。しかしあのラスト、一体どれだけ凄い事になってたんでしょうね。だって、頭取さんの語尾が!! 語尾が!! これまでは100%例外なく（多分）「?」で終わってたのに、それすら崩れる勢いですよ。あとがきに2人の行末らしきものがちょっとだけ語られてますが、流石に不憫過ぎると思います。いや、アリスさんは幸せなんでしょうけど...余りにもリアルで笑えない。
こんな感じの1冊でした。個人的にはもう少しコメディ色が戻ってきてくれると嬉しいですが、暫くは鬼ヶ島高校との話になりそうだし、どうなる事やら。