時載りリンネ! 3

Book

シリーズ新刊。
前2冊は、なんか大きな事件に巻き込まれる幹事に話が進みましたが、今回はちょっと違う。正式に「時砕き」となったリンネが、自由に歩けるようになった「バベルの塔」の中を探索。んでもってそこで出会った少女･ネリーと仲良くなる形で話が進みます。
いーなー、いーなー、これ。なんとも真っ当な子供たちの成長譚と言った展開が非常に素晴らしい。とても面白かったです。「時間」がシリーズの鍵となっているお話なので、今回もそれが重要なポジションを締める訳ですが...使い方が上手いなー。街と塔を繋ぐ不思議なアイテムの機能を巧みに使って、リンネたちが暮らす街とネリーの暮らす塔で発生した時間差。今の自分から考えれば、それ程長い時間じゃないんだけど...子供たちに取ってみれば、僅か数ヶ月、数年でも大きな差なんですよね。そんな中で仲良くなった2人の少女達の友情、特にネリーの思いがとにかく良く伝わってきて満足な1冊でした。ラストにあったリンネの決意も良かった。子供が成長していくところをこういった形で見せられると、何か自然に嬉しくなります。
と言う訳で、とても良かった1冊でした。ホント良いシリーズになりましたねー。続きにも期待。