円環少女 8

シリーズ8冊目。束の間の平和を楽しんだ前巻から話が大きく動き、物凄い事になってます。
賢者の石と再演大系を巡って、日本に聖騎士団が大攻勢をかける展開で、平和だった仁とメイゼル、きずなの日常が一気に壊れていく様がちょっと哀しかった。特にきずなは...。今回は再演大系が話の軸にあるので、メインはきずななんですが...知らなかった真実を突きつけられ、見ない振りをしていた部分に強引に目を向けさせられ。前半の幸せな空気はどこいった? と思わずにはいられないキツイ展開。
メイゼルはメイゼルで悩みに悩んで。彼女の主張は昔から変わってないけど、今回はきずなへの嫉妬とか色々と合わさって天井突き抜けた感じがします。吹っ切れたとも言うのかなぁ? やり場の無い思いを思いっっっっきりぶつけた感じ。Sっ気が留まる所を知りません。それでいて愛情だけはこれでもか!! と言うぐらい伝わってくるのが凄い。倒錯とはこう言う事を言うんでしょうか。
どちらのヒロインも、己の思いの丈をぶつけ合う展開がとても切なくて熱かった。両者の胸の内がダイレクトに伝わってきて、ホント素晴らしかったです。個人的にはこのメインヒロイン達の話が素晴らしすぎて、肝心の聖騎士団との戦いが霞んでしまったぐらい。すげー面白かったです。
しかし長谷敏司、凄いなー。何が凄いって、どんな危機的状況でも女性キャラの身体の描写を忘れない。しかも無駄に入念。この力の入れ方には、感動すら覚えました。後、p.16の2行目に爆笑したのは自分だけではないはずだ。
さて。まだ聖騎士団との戦いには決着はついていない様子。ラストも気になる形で終わってるし、続きも楽しみです。