人類は衰退しました 3

小さな妖精さんとの、ほのぼの時々ブラックな展開が楽しいシリーズ3冊目。
今回は都市探検。衰退した人類の文化を記録するべく、かつて繁栄した都市の探索をするお話。既に朽ちかけてる都市とは言え、もはや人類が保有していない技術の塊で作られた巨大都市。しかもとある理由で、頼みの妖精さん不在で進むため、物凄くサバイバル。ヒロインと助手さんは食料と水を担ぎ、死の淵をさまよう羽目になる...言う、いつになくシビアな展開が良い感じでした。
妖精さんがいないだけでここまで変わるのか...と思いましたが、寧ろこれが本来の状態なんですよね。途中で出てきた豆本を読んで思いました。普段はノンビリしてて危機感無いけど、世界の状態を考えればそれがどれだけ幸せなことか。
しかし、頭良い人ですね。田中ロミオって。読む度にそう思います。豆本記載のf値通り、妖精さんの数に従って生存率が変化する様が良く伝わってくる所とか、すげー感心しました。
と言う訳で、大満足な1冊でした。ちょっとずつ今の世界の形も見えてきましたね。妖精さんの正体が分かる日も、そろそろ近くなってきたのかなぁ。続きに期待。