銃姫 9

久しぶりな『銃姫』新刊。
流星軍とスラファト軍の戦いのクライマックス。ここ数巻はセドリックやアンではなく、チャンドラースのためにあったように思います。英雄の生き様を、しかと読ませて貰いました。己の成すべき事を定め、命を賭けても譲らない。彼を助けたくて戦うセドリックも、その心意気を汲み取るしかない。あれだけの覚悟を邪魔する事は、誰にも出来ない。
他人から見れば英雄でも、本人はそう思っていない。やれる事を考えて、それを実現してきただけ。弱い部分もあったけど、それをを隠し通して生き抜いた。だからこそ、やっぱり英雄なんでしょう。これだけの人物を読めた事、それ自体がとても嬉しいです。
と言う訳で、大満足な1冊でした。セドリックの過去の真相とか、他にも幾つか重要な場面があった気がするけど、全部チャンドラースの話に埋もれちゃってる気がします。しかし、そろそろシリーズとしても終わりのはずなんですが...全然そんな気がしません。どうまとめるのか、非常に楽しみです。