生徒会の一存

『マテリアルゴースト』の作者の新刊。
美少女4人と黒一点の主人公で構成される生徒会が舞台。「自分の野望はハーレムだ」と公言してはばからない主人公を中心とした、おバカなコメディです生徒会室で繰り広げられる、何気ない会話がメインのお話。面子は揃ってるのに、ラブコメにすらなりゃしない。


楽しかったです。
目指せハーレムを堂々と言い放っている割には女子たちからの受けも良く、主人公にとって都合良過ぎね? と思わないでもありませんでしたが...あちこちに仕込まれた小ネタが面白い。ハルヒとかカイジとかコードギアスとか、ふるーいドラマとか、ネットとか...他にも色々、結構な勢いでフリーダムな感じ。独自のネタと合わさって、あちこちで噴きました。富樫作品っていつ終わるんだろうね?
また、生徒会長が可愛いです。性格的に。他のメンバーから半ばおもちゃのようにからかわれる姿は不憫なんですが、それがまた可愛らしい。繰り広げられるのはハッキリ言ってしまえば中身の無い会話だけど、その軽すぎるキャッチボールがかなりのスピード感。テンポの良さに、気がつけば笑ってたりします。
さらに作品自体、結構凝った作りになっていたのにはちょっとビックリ。基本連作短編なんですが、最後にちょっとしたオマケがついてます。これで「ん?」と違和感を感じた所がスッキリした。伏線は伏線で残ってるけど。


しかし主人公はハーレム目指してるけどさー、もうできてるよね、これ。この状況で違うとか言い出したら、色んな人が怒り出しそうな気がするのは自分だけでしょうか...。