ヒツギでSOSO!

第8甲斐えんため大賞応募作。なんでも選考会で揉めた作品だそうで。その理由は読めば納得。
凶悪犯罪に対抗するため、極刑の判決を下す事が多くなった日本が舞台で、主人公とヒロインは死刑を執行する処刑官を育成する学校に通う生徒。ある日、テロリストのボスの死刑が執行されたが、その遺体を奪いに仲間達が襲来。そしてひょんなことから、テロリストのボスの葬儀を請け負う事になった主人公だが...と言うお話。
冒頭を読んだ段階で、あまりにもあんまりなテーマに「地雷踏んだか?」なんて思ったんですが...意外や意外。かなり面白かったです。
やたらと葬儀に詳しくあらゆる流派での弔い方法を知っている主人公が、故人の出身・宗教を調べるべくテロリスト達と共に行動して、納得の行く葬式を目指す。なんともすんげー設定なんですが、これが予想外に面白くてビックリ。
一貫して己の意思を貫く主人公は格好良かった。葬式は故人のためだけではなく、遺された人のためのものだと言う考え方はとても好きです。また、テロリストとは言え義賊的な活動しかしてない集団だったので、全然憎めないのが良かったかと。テロリストの2代目ボスが13才の女の子で、ヒロインがヤキモキしてるのもグッド。
ラスト、最後の葬儀の展開は流石に「そこまでするか」「できんの?」なんて思いましたが、それを差し引いても充分楽しめました。満足。
これシリーズ化しないかなぁ。出来そうな終わり方してるし。一応期待しておこう。