数学ガール

楽しみにしていた『数学ガール』が遂に発売。高校生で主人公の「僕」が、同級生のミルカさんと後輩のテトラちゃん達と共に、ひたすら数式を追うお話です。微妙にラブコメチック。
この本は、出来れば高校生に読んでもらいたいなーと思いました。特に数学に頭を悩ませている方々に。
自分は理数系の科目に関して、かなり恵まれた環境で学べたと思ってます。そのお陰か、理数系は基本的に得意科目でした。しかしそれも、色んな驚きに出会えたからだろうなーと思います。
高校生の頃、回転行列と倍角公式の関係を習った時に目から鱗が落ちました。e^xとcos(x), sin(x)のテイラー展開の関係を知った時は、この世界は一体どーなってるんだとすら思いました。数学や物理なんかを勉強している時は、時々こういった綺麗にまとまってる公式や予想外の導き方に出くわせるのが、無性にワクワクして楽しかったのを覚えています。
こういった驚きに触れる機会って凄く大事だと思うんですが、普通に勉強しているだけではなかなか巡り合えないものです。
この本はそういった"出会い"を提供してくれる本です。出てくる数式は結構難しめですが、式は分からなくても式の意味と考え方を学びましょう。微分はただの割り算です。積分は和を取っているに過ぎません。公式は「覚えるもの」じゃなくて「導くもの」なんです。難しい公式に頭を悩ませるより、サクッと本質を押さえると、世界はガラッと変わりますよ。
と言う訳で、読んでいて色々と昔を思い出しました。ここ最近は数学に触れる機会なんてめっきり無くなってしまいましたが...たまにやると、やっぱり楽しいですね。非常に満足な1冊でした。気になった人は、Web版の数学ガールに幾つか目を通してみると良いかも。
この本は1冊で完結してますが...Webで新作出ないかなぁ。結局「僕」が、ミルカさんとテトラちゃんのどっちを選ぶのかも気になるし。