多重心世界シンフォニックハーツ 下

第10回スニーカー大賞・奨励賞受賞作の下巻。
沢山の人格を身に宿す事が社会的な地位に繋がる世界が舞台。しかしその人格は、他の世界の住人の魂を奪う事で得ていた...と言う展開です。
前巻のラスト、多重人格の真相が明らかになった辺りで大層驚かされたので、この巻ではどう楽しませてくれるのか、割と期待しつつ読了。
読み終わって、完結までまっすぐに話を進めたなぁと言う印象を受けました。これと言った寄り道もなく、全部丸く収めるならこれしかないな、と言うラストまで一直線。
綺麗にまとまっていたのは良かったんですが、その反面、微妙に物足りなさも...。また、シリアスなシーンにコミカルな展開が時々混ざるんですが、これが微妙に浮いていたような。スモルツ大佐のターミネーターっぷりは、少々やりすぎ? な印象が強かったです。
と言うわけで、可もなく不可もなくな作品でした。賞の受賞作が上下巻に分かれているのは珍しい気がしますが、なんにせよこれにて完結。次はどんな作品になるですかね?