黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで

今月デビューの新人さん。第18回ファンタジア長編小説大賞・佳作受賞作です。
赤青黄緑白の各色をキーワードに召喚を行う「名詠式」を学ぶ学校が舞台。存在しない「夜色」の名詠式を求めた少女と、5色全ての名詠式を極める事を求めた少年の、とある約束から話が始まります。
これは面白かったです。
最初の数ページで、面白いかつまらないか大体分かると言いますが、この作品は、正にその例に当てはまった気がします。プロローグから話に引き込まれていく感じで、最後まで楽しませてくれました。
「名詠式」と言う力にスポットを当てて話が進みますが、しかしその中心は、長年の約束や目標のために努力したり、その目標が見つからなくて悩んだり...と色々な事情がある少年少女たちの成長。良いねー、約束って。感動させてくれます。ラストまで綺麗にまとまっていて、読み終わったらちょっと爽やかな気分になれました。
今後も期待大な新人さんですね。楽しみです。