神様のメモ帳

火目の巫女』の作者、杉井光の新作。
ニートが集うラーメン屋。そのビルの3階に住むのは、これまたニートな少女探偵・アリス。高校生の主人公が、同級生の女の子から、このラーメン屋に誘われるところから話が始まります。街に出回る新型ドラッグを中心に、哀しい事件に巻き込まれた主人公が、その真相を探るべく奮闘する展開。
これは面白かった。
ニート探偵なヒロインを始め、ラーメン屋に集う個性的な面々は、しっかりとキャラが立っていて、良い感じです。
全体的には哀しい話だけど、しかし要所要所には熱いシーンがあったのも良かったです。特に終盤、主人公のSOSに目の色を変えて応じる面々とか...好きだなぁ、こういう話。
ラストも、少しは希望を持たせるような終わり方に加え、いつの間にかラーメン屋に馴染んだ主人公と、アリスの変わり様もあって、悪くない読後感で素晴らしかったです。
後、あとがきに大笑い。こういうキャラ配置だったのね。読んでて気付かなかった自分に絶望。あの作品、DVD持ってるぐらい大好きなのに...。
と言う訳で、かなり満足な1冊でした。これは1冊で完結? 綺麗にまとまってるので、続かなくても良いけど、もう少しアリスの活躍を読んでみたい気もします。『火目の巫女』の続きが出るかどうかも気になりますが。