鳥籠荘の今日も眠たい住人たち 1

壁井ユカコの新シリーズ。
一風変わった住人が集う、「ホテル・ウィリアムズチャイルドバード」が舞台。絵のヌードモデルのバイトをしている16歳の少女をメインヒロインとして、その雇い主である画家や、その他の住人たちとの日々を綴った作品です。
これは面白かったです。独特の雰囲気のあるイラストと見事に合わさって、とても良い感じ。
マンションに暮らす住人達は、みんな訳アリ。どこか非現実的な雰囲気を漂わせつつも、現実離れした話は1つも無いと言う、なんとも不思議な作品でした。
連作短編風味と言う事で、この巻には全部で4話収録されていますが、1番のお気に入りは第3話。父親がいつも、猫の着ぐるみを着ていると言う小学生の女の子が主人公なのですが...この父親が格好良い。なんで着ぐるみを着ているのか、この点は不明なんですが、娘のピンチに颯爽と駆けつける姿は、何を着ていても良いモノですね。
メインヒロインと画家の話も、お互い傷を舐め合っているような感じが印象的。退廃的な雰囲気が漂いつつも、それでいて、お互いがお互いを気にしている。これがもう。この先、この2人はどんな関係になっていくのか...とか考えると、とても楽しみです。
この前読んだ『NO CALL NO LIFE』に引き続き、この作品も面白くて大満足。今後も期待。