パラケルススの娘 5

シリーズ5冊目。前巻が過去編だったので、本編の続きは久しぶりな気がします。
ローマ教会から派遣されてきた騎士団が、クリスティーナを狙う話。クリスティーナの正体が明らかになり、話が大きく進んだ印象を受けました。
相変らずの面白さ。この巻での注目は、主人公である遼太郎の活躍でしょう。美弥子や和音を護る為、到底勝てない相手の前に立ち塞がったり、何も告げずに身を隠したクリスティーナを探して奔走したり...随分と成長したなぁ。
終盤、クリスティーナ相手に啖呵を切っているシーンが、特にお気に入りです。呆気に取られたクリスティーナの顔が浮かんできそう。敵役だった騎士団も、狂信者の集まりかと思いきや、意外に話せるキャラもいて格好良かった。信念と信念のぶつかり合いは、読んでいて熱くなりますね。
と言う訳で、普通に満足な1冊でした。重要な事実が明らかになったとは言え、新たな謎もキッチリと追加された事だし、今後にも期待。