ロケットガール 1

野尻抱介の『ロケットガール』シリーズが復刻。アニメ化とか、色々進んでいるみたいです。前々から気になっていたいシリーズの1つで、良い機会なので購入。この人の本を読むのは『太陽の簒奪者』以来。
新開発のロケットで宇宙への有人飛行を目指す、ソロモン宇宙協会。父親を探しにソロモン諸島へと来ていた女子高生・森田ゆかりは、父親の捜索を手伝ってもらうと言う条件で、この協会からのアルバイトを引き受けたが、そのアルバイトとは、なんと宇宙飛行士で...。
こんな感じ。なし崩し的に宇宙飛行士に抜擢された女子高生が、宇宙を目指すお話です。
序盤、ヒロインを半ば騙す形で宇宙飛行士とする展開が、あまり好きになれませんでした。割と強引な取り引きで協力を取り付けておいて、いざヒロインから安全性とかを詰め寄られると、「宇宙に行くのは自分達の夢だ」なんて語り出して説得するのは、個人的にはかなり微妙。序盤はコメディ的なノリが強いのは分かるんですが...それにしても、大人たちの言動に、スジが通っていないような印象が拭えませんでした。
中盤以降、ヒロインが乗り気になってきて、面白くなってきたかなーと思った矢先、プレスキットの所で、またスジのおかしな事やっているのを読んで、再びガックリ。それだけ、ヒロインに感情移入しながら読めたと言う事でもあるんですが...新しい技術で宇宙を目指すと言う、熱い展開を髣髴とさせる流れの中で、こんな風に気になる部分があるのが、とても残念でした。ロケットや宇宙での出来事など、SF的な部分は、流石は野尻抱介と思わせる内容で面白かっただけに、なおさらだよなー。完結まで後2冊ありますが、こっちも同じような展開になるんだろうか。一応買うつもりですが、微妙に不安だ。
ところで、裏表紙の折り返しにある、作品一覧から『クレギオン』が消えてる事にビックリ。ハヤカワ文庫から新装版が出た事で、完全に富士見の作品では無くなったんでしょうか...。