図書館内乱

有川浩の、『図書館戦争』の続編。ようやく読了。
前巻は、図書隊 VS 検閲機関の戦闘シーンが多かったのですが、この巻では直接的な戦いは無く。寧ろ、政治的な駆け引きがメインの内容。図書館内部も一枚岩じゃない、と言う部分に焦点が当たっていた感じでしょうか。章ごとに一応内容が区切れているので、なんとなく連作短編集を読んだような気分になりました。
冒頭、郁の両親襲来の話だけは、何か浮いた感じがしたのですが、最後まで読んで納得。父親格好良い。母親は、郁がイラつくのが良く分かるキャラ立てでしたが...。
その他の話は、テーマ的にはシリアスな流れになりがちなんですが、そんな中でも、主人公の郁とその上官である堂上のやりとりが、すんげー面白い。所々で笑いが込み上げてきます。シリアスなシーンにコメディタッチの内容が混ざっていて、それでいて違和感が無いと言うのは、結構凄い事のような気がします。裏表の無い郁の性格が気持ちい良いのもありますが、それと同じぐらい、堂上が本当に良いキャラな事も大きいよなー。「トリか貴様!」には、もう爆笑。見事なツンデレ、見事な照れ隠しです。
また『一刀両断レビュー』については、こんなサイトをやっているせいか、ふと我が身を振り返ってしまいました。批判めいた感想は、なるべく控えるようにしていますが...たまにそうでもない事もあったなーと。気を付けないとね。
と言う訳で、非常に満足のいく1冊でした。ラストで凄い事になっているんですが、続きはいつ出るんだろう。この終わり方を読む限り、もう後少しで完結なのかなぁと感じましたが...なんにせよ、続きが楽しみです。