ドリームノッカー

ゲームシナリオライターの人が書いた1冊。
高校の演劇部に伝わる伝統の演劇「トイボックス」を巡って、色々と不思議な事が起こるというお話。元気なヒロイン・チョコと、その親友・ほとりを中心とした、百合な雰囲気たっぷりな内容でした。
途中までは百合な話だけで突っ切るのか? なんて思っていたのですが、終わってみればそうでもなく。不思議な劇「トイボックス」と失踪事件の関係から、ミステリめいた展開に突入していく流れは、結構面白かったです。
ただ、オチが超常現象と言うのがどうもなぁ。せっかくステリっぽい展開もあったのに、これ使われたら謎解きの楽しみが無くなってしまう...。そう思わせておいて実は、みたいな展開を期待してたので、この点は少々残念。それでも、最後の真相にはコロッと騙される事も出来たのは良かったかも。
また、最後はとても綺麗にまとまっていたのが素晴らしい。ラスト1行を読んだ時、「良い話だ」と素直に思いました。これだけで普通に満足。この作者、今後も電撃文庫で書くんでしょうか。もしそうだとしたら、もう少し買ってみたいかも。