エトセトラ上等。

『上等。』シリーズの新刊。鉄平やゆかりは殆ど出番が無く、曜子に文七、それに大目玉ががそれぞれ奮起する短編集です。
舞台は夏。読んでいく内に、どれも同じ時間軸で書かれている事が分かる展開が上手いです。最初は全然気が付きませんでした。
一番良かったのは『ゴースト上等!』で、次点が『ロンリネス上等!』。鉄平のがむしゃらさを見習って、自分の助けたい人を助ける展開は熱くて良い感じです。1人、熱い人間がいると、周りもそれに引っ張られるんだなと思ったり。鉄平は凡人だけど、凄いヤツだと改めて思いました。全然出番無い割には、存在感あるよなぁ。
しかしこの本を読んで一番ビックリしたのは、まだシリーズ完結じゃなかったと言う事実。この本はタイトル通り番外編の短編集なんですが...あとがきを読むと、まだ続くらしいです。てっきり前巻の『ジューンブライド上等。』で完結したものかと思ってたのに...。
まぁ驚きはしたけれど、もうちょっと続くのであればそれはそれで楽しみ。鉄平とゆかりの話は一段落ついているはずだけど、どうするんだろう。