SLASH/DOG 1

『電蜂』でデビューした作者の新シリーズ。
熱を出して欠席した修学旅行で事故が起こり、旅行に参加した同級生全員を乗せた船が沈没。誰1人生きて帰ってこないと言う、悲惨な現実を突きつけられた主人公。他の高校へと転校し、新しい生活を送っていてたある日、町の中で死んだはずの同級生を見かけるのだが、その同級生に襲われて...。
こんな感じ。死んだはずの同級生達が化物となって蘇り、主人公が命を狙われると言うお話。主人公と同じく、修学旅行を欠席したヒロインやヤンキーと共に、化物となったかつての同級生を倒す事で話が進みます。
出だしから物凄い暗い展開で、ちょっと引きましたが...読んでみると、それほど鬱になる話でもなく、普通に楽しめました。戦う力の無い、一介の高校生が化物と張り合うための力は、謎のタマゴから孵った動物。主を守って戦うパートナーを従えて、生き残るために自分の同級生を再び殺すと言う、辛い戦いへと挑んでいくのですが...どちらかと言えば、事件の背景の謎に目がいって、悲壮感がそれほど漂っていない印象を受けました。事件の設定からすると、少々物足りない感じもあるけど、あんまり暗い話は好きじゃないので、個人的には好感触。
ただ1巻のラストで既に、最も厳しいであろう敵との戦いが書かれているので、今後の展開が少し不安。どう盛り上げていくんだろう。少なくとも、事件の真相と黒幕を追う形になるとして、結末が気になります。残りの同級生を全員倒した所で、ハッピーエンドにはならないだろうしなぁ。なんにせよ、楽しみです。