オオカミさんと七人の仲間たち

『先輩とぼく』シリーズの作者、沖田雅の新シリーズ。
とある学園都市にある高校が舞台。この高校にある、困った人の依頼を受けて恩を売り、いつかその恩を返してもらうと言う、人への恩の貸し借りをする学生相互扶助協会、通称「御伽銀行」。個性的なメンバーが集まるこの組織に、視線恐怖症でいつもオドオドしっぱなしの新メンバーが加わる所から話が始まります。
「御伽銀行」は学園長直轄の組織であり、人助けを続けると金と権力を充分に持った学園長に願いを叶えてもらえると言う設定。大神さんと言う男勝りの武闘派ヒロインと、そのサポートをする赤ずきん、もとい赤井林檎と言う2人を軸に、その他の御伽銀行メンバーが頼まれた依頼をこなしていく展開です。大神さんと、彼女に惚れてメンバー入りした森野亮士くんとのラブコメが一応メインでしょうか?
登場人物は皆、色んな童話のパロディ。性格も割と引き継いでいる部分があるような印象。素直じゃない大神さんが見ていて面白いです。流石オオカミさん、嘘つきですね。亮士くんは狩人と言うより、オズの魔法使いの臆病なライオンのような気がします。後...赤ずきんはこんなに黒く無かったはずだ。
ラスト、敵にトドメを刺す方法は、正直少々疑問に思ったりもしましたが、それ以外は特に気になる所も無く。普通に楽しめました。ただ、主人公の1人である亮士くんがどうにも頼りないので、イマイチ感情移入が出来なかったのが残念。
しかし、ラストではそれなりに見せ場もあったし、今後は化けそうですね。楽しみ楽しみ。