断章のグリム 2

甲田学人の新刊。童話をモチーフにした、具現化した"悪夢"を、同じく"悪夢"によって身についた能力によって消し去るお話の第2巻です。
今回のお題は「ヘンゼルとグレーテル」。前巻ほど不気味な雰囲気が漂うような話ではなく、大分落ち着いて読めたのが良かった。しかし余りにも気味が悪すぎると、読んでいて良い気分にはなれないけど、無ければ無いで物足りない...というのはやっぱり贅沢でしょうか。
童話に引っ掛けた謎解きは相変らず面白い。言われてみれば、確かに違和感のある話。「ヘンゼルとグレーテル」に限らず、童話には少なからずそういう部分があるよなー。こういった深読みは大好きです。童話を解説した本って、多分沢山出ているんでしょうね。今度探してみようか。
後、ヒロインの素直じゃない性格と、主人公の素直っぷりの対比が良い味出してます。主人公の能力を考えると、あんまり幸せな結末は迎えなさそうですが...どうなることやら。