プリンセスはお年頃! 1

榊一郎、新創刊のHJ文庫からの新刊。デビュー前の原稿を改稿した作品。『プリンセス・サキュバス』と言う名前で同人誌にもなっていたらしい。
ヒロインは一国の王女。王様の養女として育てられたものの、実は人間ではなくてサキュバス。適齢期を迎えた彼女は、婿探しの旅に出る事に。護衛と共に城を出たが、旅先で暗殺者に襲われて...。
こんなお話。ヒロインが王女だったり、2人の護衛が凄腕の男女だったり、馬車で旅したり、暗殺者から襲われたり...と言う枠組みだけ見ると、『棄てプリ』そっくりなんですが、よくよく考えれば、この作品を書いた後に『棄てプリ』が書かれているんだから、不思議でもなんでもないですね。
デビュー前の作品と言う事ですが、改稿されているだけあって、いつも通りの榊一郎作品と言った感じ。あまりシリアスな展開にはならず、どちらかと言えばコメディ中心で進む内容で、普通に楽しめました。
王女を襲う敵側の目的が今ひとつハッキリしませんが、代わりに色々裏がありそうな伏線が張られてます。後、護衛2人の複雑な過去も気になる所。伏線を読む限りでは、間違っても護衛には選ばれなさそうな過去なので、事の真相が明かされる時が楽しみ。
しかし婿探しは結局の所、護衛と王女がくっつく流れになりそうな予感がヒシヒシとしますが...この辺は捻ってくるかなー。どうなることやら。