さよなら、いもうと。

新井輝の新刊。富士ミスの「初体験project」なるものの1冊だそうです。
主人公は高校生の男の子。交通事故で死んだ妹が、3日後に生き返った所から話が始まる、少し切ない恋愛物語です。
死んだ人間が生き返ると言う非現実的な出来事が冒頭にありながら、その後の展開は普通の日常。読み終わって、残した未練を断ち切る話であり、タイトルの通り妹との別れの話であり、そして後悔しないように前に進むための話、と言う風に受け取りました。
いいなー、これ。綺麗な終わり方をしているのが気に入りました。大きく盛り上がるような展開は無いものの、読んでいて気持ちの良い雰囲気も素晴らしいです。主人公とその幼馴染のもどかしい関係もなかなか。ラストにある、その幼馴染との話は少々急な展開で面食らいましたが...気になったのはその点ぐらい。面白かったです。
新井輝の作品は『ROOM NO.1301』ぐらいしか読んだ事なかったのですが、他のシリーズにもトライしてみるべきかも。