火目の巫女 巻之二

第12回電撃小説大賞・銀賞受賞作の続き。
化生が跋扈する世界を舞台に、かつてその化生を倒す事の出来る「火目」候補だったヒロイン・伊月を中心に話が進みます。今回は先代の火目・時子が化生に変じて逃げ出すと言うお話。
1巻は全然肌に合わなかったのに、何故か2巻も購入。ビクビクしながら読み始めたのですが...あれ? 普通に読める。
微妙に未来が見える展開で、前巻の強烈な鬱展開から少し方向転換したのが、自分にとって良い方向に進んでるのかも。それでも、まだまだ暗い話であることには変わりありませんが、それでも大分読みやすくなっていて驚きました。
伊月と佳乃の友情や、豊日の苦悩あたりの話もなかなか良かったんですが、今回一番のお気に入りは火護たち。《と》組の面々が格好良くて素晴らしい。p171のイラスト、むさ苦しいおっさんのアップなんですが、これが良い顔で笑ってるんですよ。覚悟の決まってるキャラ達が、己の危険を顧みずに目的を果すと言う話は大好きです。
という訳で、結構満足な1冊でした。この作品、まさか続編が出るとは思っていなかったので、それだけでも驚きなんですが...1巻があれだけ肌に合わなかったのに、この2巻は普通に楽しめたのでさらにビックリ。完結するまで油断は出来ませんが、とりあえず期待。