吉永さん家のガーゴイル 10

10巻の大台に突入した『ガーゴイル』シリーズ最新刊は前巻の続き。平穏な日常を離れ、ガーゴイルの記憶に潜って第二次大戦終盤、空襲に晒される日本を舞台にしたお話の完結編です。
ガーゴイルの封印されていた記憶の真実と、それを思い出した時のガーゴイルが最高に素晴らしい。思い出されたのは決して幸せな過去ではなく、非情で辛いものだったけれど、それを踏み台にして更なる成長を遂げたガーゴイルと双葉がホント良いです。このシーンだけ、もう何度も読み返してしまった。
ほのぼのした日常話にちょっぴり感動的なストーリーと言うのがこの作品のパターンだったので、今回は少し重めの話でどうなる事かと思いましたが...杞憂だったようです。これまでの既刊の中でもトップクラスに面白かったです。
物語自体の軸となる話も出てきたので、そろそろ話をまとめる方向で進めるんですかね? 何にせよ、続きに激しく期待。