の鏡 1

元々は単行本として発売されていたものを、全3冊の文庫版として刊行した作品で、まずは第1巻。五代ゆうの作品を富士見書房で読むのは、凄く久しぶりな気がします。
"骨牌使い"とは、"骨牌"と呼ばれる12枚の札を使って、占いや不思議な力を発揮する事が出来る人達の事。世界のあり方そのものに関わる力で、主人公のアトリは若いが優秀な"骨牌使い"と言う設定。高級娼館おかかえの占い師として働いていたアトリが、一組の客と出会った事から、自分の出生と血筋に関わる大きな出来事に巻き込まれていく形で話が進みます。
重厚な雰囲気が漂ってくる、本当に正統派ファンタジー作品。とにかく魅力溢れるキャラと、グイグイと引き込まれていくストーリー展開がたまらなく面白かったです。
主人公が巻き込まれた出来事の大きさを考えると、全てが終わった後、再び平穏な生活に戻れるのかどうか、気になって仕方ありません。まだ1巻だと言うのに...。アトリが今後どうなって行くのか、非常に楽しみ。単行本版をどうにかして入手するか、大人しく文庫を待つか...悩ましい。