図書館戦争

有川浩のハードカバー第3弾。
タイトルと設定だけ聞いたときは、『ぼくらの七日間戦争』みたいなモノを想像してて、戦争と言っても何かの比喩なんだろうなぁ、なんて思っていたのですが...全然違いました。
図書館が武装してますよ。
サブマシンガンとか撃ちまくってますよ。
戦争と言うのは比喩でもなんでも無かったですよ。
と言う訳で、『メディア良化法』に基づいて超法規的検閲を行う良化特務機関と、強引な検閲に対向するべく結成された図書隊。その図書隊へと配属された女性隊員・郁が主人公のお話です。
検閲に図書館が武力で対向すると言う、真面目だけどおバカな設定が素晴らしく面白い。特に主人公がホント良い感じ。気に入らない事があれば上官に食ってかかるほど元気が良くて、本を守る情熱は人一倍。さらに軽快な語り口調が、読んでいて非常に気持ち良かったです。
シリアスな話もある中、どちらかと言えばコメディ寄りな展開もグッド。コミカルさとシリアスさが良い感じに合わさってたと思います。終盤、義足を使ったちょっとした仕掛けがあったんですが、ここ読んだ時は思わず爆笑してしまいました。何か仕掛けがありそうな雰囲気だったのは確かですが、こんな風に使うとは...笑うシーンじゃなかったかも知れませんが、個人的には激しくツボ。
また終盤では、『はちクロ』の青春スーツが思わず頭に浮かんだり。"彼"にとって、郁の言動はさぞ痒いだろうなぁと思わずにはいられませんでした。
そんな訳で、大満足な1冊でした。『塩の街』は個人的にはあんまり好きじゃなかったのですが、それから先の有川浩は外れが無いですね。次回作にも大きく期待。