紅牙のルビーウルフ 2

第17回ファンタジア長編小説大賞で準入選した『紅牙のルビーウルフ』、無事にシリーズ化です。
今回は、一冊の本を巡るお話。5つ目の神具とされるその<全知の書>は、4つの神国にそれぞれ伝わる神具と揃うと、古の神が復活すると言う言い伝えがあるもの。その本が見つかったと言う話を隣国の王女から聞いたルビーウルフは、騎士のジェイドと共に自分の持つ神具を携えて赴くのだが...。
こんな感じ。盗賊団と狼に育てられた王女ルビーウルフが主役の第2巻。<全知の書>を持ち込んだ曰くありげな少女を軸に、その黒幕を突き詰めていく形で話が進みます。
普通に面白かった。ルビーウルフとジェイドの微妙な距離感に、狼達とのやり取りが良い感じ。話の展開はそれ程凝った作りにはなってないけど、その分読みやすいし。
ルビーウルフと同じく、<全知の書>発見の話を聞いてやってきた、神国サウヴロースのスチャラカな王子が新キャラとして出てきますが、これはキャラ薄かった気がします。振る舞いは派手だけど、あんまり話に絡まなかったからなぁ。
ただ終盤の展開には、「国同士の交渉がこんな力技でいいのかよ」なんてツッコミを入れたくなったり。殆ど専制君主制の国同士だという事を差し引いても、少々やり過ぎな気が...。
まぁ気になる所があったとは言え、今後も安定して楽しめそうな出来にかなり満足です。続きも楽しみ。