ワンダフル・ワンダリング・サーガ

ファミ通文庫の新人さん・その3。第7回えんため大賞・佳作受賞作です。
いきなり異世界に世界を救う勇者として召喚されてしまった主人公は、20歳のサラリーマン。空手家のクマと女の子に導かれ、世界を喰らう怪物との戦いに駆り出されて...。
こんな感じの話。『はてしない物語』をすんげーラノベっぽく & 童話っぽくアレンジしたらこんな感じのなるかなぁと、読みながら思ったり。
しかし童話と言っても子供向けの童話ではなく、「昔子供だった大人」向けの童話ですね。クライマックスまでの展開は完全に子供向けの内容なので、一体どの世代を対象にしているのか曖昧な感じもしましたが...それでも、ストーリー的には大人向けの話かと。個人的には大ヒットな内容でした。
序盤から中盤は正直大した事無いんですが...終盤、異世界の正体が明かされてからの展開が非常に好みです。終章の展開がとにかくツボにはまって最高。逆に言えば、終章が好みじゃない人には全然受けそうに無いので、完全に読む人次第な内容かと。
「忘れゆく思い出」と言うのが一つのテーマになっているのですが、自分もこういう遊びをしてたのかなぁなんて思いました。記憶には全く残ってないけど...実は忘れているだけかも? なんて事を考えながら読むと一際面白かった。
元はと言えば表紙のクマが妙に気になったので買っただけで、それほど内容には期待はしていなかったのですが...ここまで楽しめるとは思いませんでした。何でも読んでみるもんですね。